高ロバストネス情報配信基盤の研究開発

秋山 豊和    河合 由起子 飯田 勝吉†† 張 建偉††† 白石 優旗†††
京都産業大学 ††東京工業大学 †††筑波技術大学

本研究開発ではP2P構造化オーバーレイネットワークとエージェント機構を組み込んだオープンソースのフレームワークPIAX(P2P Interactive Agent eXtensions)とOpenFlow技術を連携させることで,ロバストなPub/Sub基盤の構築を目指しています.本ページでは研究開発の成果について紹介していきます.

本ページに記載する研究開発内容の一部は,戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)ICTイノベーション創出型研究開発の助成をうけて実施しています.

研究開発の成果及び結果

本研究開発では、多くのインターネットアプリケーションで一般的に利用される通信基盤であるPub/Sub環境が災害や大規模イベントの発生に伴うバースト的なトラフィック変動に対応可能とする上で、Pub/Sub環境を下位レイヤが考慮可能なSDNと連携可能なものに拡張すること、ならびに、ユーザの状況を考慮して、必要な情報を配信できる基盤とすることを目標としている。そのために以下に述べる2点を具体的な目標として設定し、各年度でそれぞれA~D、A~Fの詳細な項目を設定し、研究開発を進めた。なお、当初目標ではアプリケーションレイヤにおけるイベント、ユーザ状況とネットワーク制御の対応付けを主な目標の1つとしていたが、平成25年度の継続評価のコメントを反映し、ネットワーク制御は大規模災害時の障害復旧に重点を置き、アプリケーションレイヤにおけるイベント、ユーザ状況の把握については、より基礎研究部分に重点を置く形で計画を変更した。

ア.ネットワーク空間における災害等のイベント発生およびユーザ動向を考慮したロバストなPub/Sub環境に関する研究

ユーザ状況を考慮してネットワークの制御を行う上で、アプリケーションレイヤのイベントとネットワークレイヤのイベントの相関性を把握する必要がある。そのため、まずA)「Web・SNS空間とネットワーク空間のイベント相関性調査」に取り組む。並行して、Pub/Sub環境を下位レイヤが考慮可能なSDNと連携させる上で、既存のPub/Sub環境をOpenFlowと連携させる研究開発に取り組む。本研究開発では、NICTが大規模実証実験用テストベッドにおけるプラットフォームとして採用しているPIAXをPub/Sub基盤を構築するためのミドルウェアとして採用し、B)「PIAXと既存システムの連携・PIAXとOpenFlowの連携」に取り組む。また、構築したPub/Sub基盤において、大規模な回線断が発生した場合ならびに大量のユーザが利用する高負荷状況が発生した場合などに対応するためのC)「障害回復支援機能」を開発する。さらに、ユーザの状況を考慮した情報配信機能としてD)「関連トピックPUSH機能」を開発する。

イ.実空間における災害等のイベント抽出およびユーザ動向推定に関する研究

ユーザの状況を把握する上で、WebやSNSなどのアプリケーション上におけるユーザ位置の抽出ならびにイベントの抽出が重要な課題となる。そのため、まずA)「ユーザ位置抽出精度の調査」ならびにB)「イベント抽出精度の調査」に取り組む。また、同時にユーザが今後注目するコンテキストを抽出する上でC)「ユーザ興味抽出手法の開発」にも取り組む。ア)のD)の開発項目に関連してD)「ユーザとトピックの関連抽出」に取り組み、イベントの予測等に活用するため、E)「リアルタイムなイベント相関性抽出技術の開発」に取り組む。さらに、抽出したイベントやユーザの興味から、情報推薦、提示等を行うF)「情報推薦・可視化機能の開発」に取り組む。

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